何気ない今日と云う日

偶然あの日出逢い恋に落ちたよ

夢じゃない幻じゃない

終わってからもう2週間が経過しようとしているにもかかわらず、なかなか消化できなかった気持ちを、今更ながらちゃんと備忘として。

 

 

あんなに熱量が強くて、舞台上の全員がひとつの方向を真っ直ぐ見据えていて、見ているこっちにその強烈なエネルギーがぐさぐさ刺さってくるような舞台を見たのは初めてでした。

 

WBB vol.12 ミクロワールドワールドファンタジア

夢じゃない幻じゃない元太くんの初主演舞台。

 

 

今まで元太くんが立つステージはたくさん見てきたけど、こんなに元太くんのことを知らなかったんだとハッとさせられて。

 

私は、元太くんがステージであんなにセリフを喋ってる姿を見た事がなかったし、そもそもあんな長時間元太くんの声を聞き続けたことがなかったし、ずーっと光が当たる場所にいて、誰の後ろでも誰の影でもなく、まるまる一曲元太くんのための歌詞、元太くんのためのダンスを歌い踊る姿を見ることができて

 

「お芝居がしたい」「もっと歌いたい」「殺陣を披露したい」

 

そうやって言い続けてくれた元太くんが、こんな風にめいっぱいやりたかったことを、まさかこんな形で実現してくれて、これまで「好き」という感情は見れば見るほど増していったけど、今回は単純に「好き」というシンプルな感情以外に、元太くんというひとりの人間から発信されるひとつひとつのパフォーマンスを目で心でダイレクトに受け取ることができて、訴えてくるような力に飲み込まれるような感覚がものすごく強かったです。

 

決して広くない劇場、そこに響き渡る元太くんの声。

 

変な事言うと、「あ、今、元太くん自身から発されている声が私の耳に聞こえている」っていう感覚って今までになくて。

 

もちろんEXだったり、クリエだったり、元太くんの声が発される場はこれまでもあったし、ソロ曲やソロパートを聞いたこともあったけど、うまく言葉にできないけど、これまでのものは何か別の媒体を通して聞いていたというか、例えばSHOCKのセリフも、それはSHOCKというすでに作られた舞台において元太くんに与えられた役割の一つである、っていうような一枚板を挟んでいる感じがするというか。

 

もちろん、今回のアレックスだって、ミクロワールドファンタジアにおけるキャラクターとして作られて、元太くんに与えられた役でありセリフであることに違いないけど、アレックスというキャラクターはこれまでに演じた人はいなくて、元太くんのためだけにこの世に誕生して、そのキャラクターは元太くんによって生を受けて、今回のこの舞台が元太くんありきのものなんだなというその事実が、今まであった一枚板を取っ払っているような、そんな夢見がちな気持ちになって。

 

ひとつひとつのセリフをとっても、アレックスというキャラクターの体から発された声や、その物語の中で少しずつ変化する感情、そういうものが刻一刻とその場で生み出されていて、それを元太くんというフィルターだけを通して見て、聞く事ができている、もう自分が何言ってるかは全然わからないけど、あ、すごいこれ…といわゆる第六感みたいなのががものすごい震えました。

 

 

元太くんのお芝居が上手なのかどうかっていうのは正直分からないけど、SHOCKの時も感じたように、自分自身の気持ちと役としての感情を程よくリンクさせるのが上手いひとだなぁとやっぱり今回も感じて。

どちらかというと、役と元太くん自身との人物像?に齟齬が生まれない(もしかしたら当て書きしてもらったのかもしれないけど)から、どんなシーンもとても無理なく自然に演じているように(私には)見えました。

 

 

シアターガイドでJWのヒンデンブルク号のシーンについて「その瞬間を生きる人間の感情が毎回同じわけがないと、日々変えていました」とたった一場面、一言のセリフに対してもここまで貪欲な気持ちでお芝居に取り組めるそのまっすぐさ。ひとつひとつのお仕事をきっかけに、ただ漠然とこなすことは絶対にしないその姿勢が、今回の13公演にも如実に表れているように思いました。

 

スパイダーの前で体が動かなくなるシーンが劇中で2回あって、1回目は平和な村に訪れた危機に立ち向かうシーン、2回目は復讐と平和を取り戻すために戦いを挑むシーン。前者は体が動かなくなってからのアレックスの表情は恐怖に怯えながらどんどん体が震えていくような弱さがあって、後者は勇敢な姿から一気に絶望と憎しみに突き落とされていく脆さがあって、その二つのシーンの演じ分けもすごかったけど、それぞれのシーンの後のアレックスの姿もとても印象的で。

 

1回目、体が動かなかった自分に対して思い詰めるアレックスの姿は、本当に毎回見るたびに新しいストーリーがそこに見えてきて。

頭を抱えて自分自身の情けなさに悩み苦しんでいたり、ぼーっと焦点が定まらないようにただただ虚無感に襲われていたり、目頭を押さえるようにして不安や恐怖と葛藤していたり、自分の左手を見つめて思い詰めるように肩を落としていたり、苛立ちで自分の膝を叩いていたり、項垂れている時もあれば怒りで気持ちが休まらない時もあったり。

左手を見つめいる時は、亡くなったお兄さんのことを考えているんじゃないかなと思わせられたし、ふるふると肩を震わせいる時はもうだめだと諦めかけているようにも見えたし、その時その時の感情がまるでセリフと一緒に見えてくるようでした。

 

2回目、スパイダーに村のみんなで立ち向かった後、フレッドがさらわれてしまってから自暴自棄になってしまうシーン。

自分自身に対する苛立ちと、二度も大切なひと(アリだけど)を奪われた絶望感に苛まれ、藤崎に対してそれまで以上に反発をして、弱い自分への情けなさをぶつけるあてが見つからない、そんな苦しくてやりきれないアレックスがポロポロと弱々しく涙を流している姿が痛々しくてたまらなくて。

一貫してアレックスはずっとずっと自分自身の弱さと戦いながら自分で自分のことを苦しめてしまって。

 

そして何より、アレックスが勇者になるのは最後の最後。

ずっと彼は弱いまんま。自分に自信がなくて、だめだだめだと追い込んで。

そうやって自分で限界を決めながら、できないことにばかり目が行ってしまう。

藤崎が最後にスパイダーに立ち向かう時の「人間はなぁ、自分で限界を決めねんだよ」というセリフがまるでアレックスに向けた言葉のようで。

そして最後に出てくるアレックスの目は本当に光の宿り方が全然違って。

セリフの言い回しはもちろんだけど、それぞれの場面での目の奥の光り方ってものすごく大事なんだなぁと実感するくらい、元太くんの目の光度の操り方がすごかった。

 

 

そして、一番最後、藤崎が天国へ旅立ち、また虫たちも元の生活に戻っていく、そんな物語のクライマックスのシーンですっと遠くを見つめる目が本当に綺麗で、吸い込まれていくように、私の心の奥底をぎゅーってさせるような真っ直ぐな瞳が本当に宝石みたいに最後の照明を反射させていてじっと見るのがしんどいくらいに眩しかった。 

 

元太くんの中にアレックスを見たし、アレックスの中に元太くんを見たし、その瞬間、言葉ではもうそれ以上なにも言い表せないほど、全部をごっそりもぎ取られてしまったように、頭も心も真っ白になりました。

 

 

私は元太くんのおたくだから、元太くんのことをこれでもかっていうくらいに綺麗な言葉で褒め称えたいし、全身全霊を持って感動してそれをあれこれとたくさん表現したくてたまらないのに、もうびっくりするほど、その瞳を見た時、感情の向こう側でいろんなことが走馬灯のようにバーっと頭の中を駆け巡って行ってそのまま何も言葉が出なくて。 

 

私は、元太くんのことを、顔がめちゃくちゃかわいくて、愛嬌があって、私の好みのダンスをする18歳のおとこのこだということしか知らないし、今までのいろんなお仕事をどんな風に元太くんが乗り越えてきたかなんて、何を思って今そのステージに立っているのか、何にも分からないし、元太くん本人がどんな想いを持ってアイドルを続けてくれているかなんて、本当に1ミリも知らない。

 

けど、今、きっとすごく楽しいんじゃないかな。

 

っていうただそれだけのことが、痛いほどに感じ取れたことが、何よりも嬉しくて。

 

もちろんいつだって、私の目に映る元太くんはとっても楽しそうで、楽しそうじゃない瞬間なんてないけど、分からないけど、「自分にはこれといった武器がない」と言い続けてきた元太くんが、自分が持っているものを出し切れる場があって、きっと今、心から納得して「楽しい」んじゃないかな、と、そういう風に見えて。

 

元太くんのことだから、やっぱり毎日「まだまだ」って思ってるだろうし、満足なんかしてないんだろうけど、今までおたくの私が自分勝手に「なんでもっと光が当たるところで…」とか「もっと歌える機会があれば」「お芝居ができる場所があれば」と思っていたことが、今こうして全部実現して、機会すらなかった今までのもどかしかった気持ちにちょっとでも納得できていたらいいなとおこがましくも思ってしまうほど、やりたくて仕方なかったことに手が届いた、ひとつの夢が叶ったように見えて。というのも全部もちろん私の願望でしかないけど。

 

 

 私の応援してきた短い間にも、元太くんはひとつひとつ夢を着実に叶えていて、決して何事にも限界を決めないで、正直大きすぎるんじゃないかなぁと思うようなことも悠々と叶えてしまう。

 

そして、ひとつひとつ叶えていった夢の先には必ず次のチャンスが転がっていて。

元太くんにスタートはあってもゴールはないのは、そうして少しずつ前に進みながらちゃんと自分の口で夢を言葉に出来る勇気と、誰かに敷いてもらったレールの上じゃなく、自分で行きたい方向へ道をちゃんと見つけて歩いていける意志を持っているから。

 

「そこをゴールではなくスタートにしたいので満足しないように」

(シアターガイド2017年8月号)

 

 

 

進路について悩んだという高校3年生の元太くんが、まだスタートだと言い続けてくれていること。

もしかしらたらどこかをゴールとすることが頭によぎった可能性があること。

 

ダンスクで教えてくれたその言葉をやっぱり簡単に流すことはできなかったし、終わりたくない、スタートにすると言ってくれたその覚悟を私なりにちゃんと受け止めたいと思ったし、今まで一度も元太くんがいなくなってしまうことを考えた事がなかった私にとって、ちゃんとひとつひとつのその意志や言葉を大切にしたい、しなければと、強く強く突き付けられました。

 

 

キラキラした夏のジャニーズJr.を見ていると、もし、この中に元太くんがいたら…と思ってしまうことは正直少なくないです。

 

去年まで変わらず立ち続けていた場所に元太くんの姿がないこと、これまで一緒に歌い踊ってきた仲間がもう同じステージに立つ事が絶対になくなってしまったこと、後ろを向くわけではないけど「舞台を中心に活躍するジャニーズJr.」は、やっぱり少しだけ寂しさもあります。

 

瑞樹さんに言われた「お前SHOCK出てんだから」

その言葉は嬉しくてたまらなかったし、あぁ、元太くんの代表作ってSHOCKなんだなぁと誇らしく思う反面、そうして舞台という場所に立つ姿がデフォルトになるようなひとになるとはほんの2,3年前は思ってもみなくて。

 

今ジャニーズJr.と呼ばれる人たちはそれぞれの居場所を持って、単独のステージがあって、仲間と言えるメンバーがいて。

羨ましくて仕方ないし、嫉妬しかないし、元太くんはどこに帰るんだろうって思えてきてしまうし、ミクロワールドファンタジアの元太くんの姿を今まで一緒にステージに立ってきてくれたみんなに見てもらえないことはすごく悔しかったし、しがないおたくの私が何を言おうときっと今の元太くんの姿をみんなに伝えることも出来ないし。

 

だから、だからやっぱりもっともっと大きな場所で、もっとたくさんの人に、新しい今のスタート地点にいる元太くんを見て欲しい!

今どこでどんな風にステージに立っているんだっていうその事だけでも、もっとたくさんの人に知ってもらいたい。

立つステージはみんなと、今までと違っても、力強く元太くんは元太くんの足で自分の場所で自分のステージに立っているんだってことを。

 

 

私はまだまだそういうおせっかいな気持ちを持ち続けたいし、めんどくさくて湿度の高いおたくとして、元太くんが自分の足で歩き続けていくその道を後ろの方から見届けられたらいいなと思います。

 

 

瑞樹さん、大樹さん、岡さん、共演してくださった、北園さん、荒木さん、原嶋さん、山﨑さん、小野さん。

そして、今回、元太くんにミクロワールドファンタジアという出逢いをくださった屋良くん。

みなさん本当に温かくて、そしてすごくエネルギーに満ち溢れていて。

1公演1公演回を重ねるごとに、どんどん息が合うカンパニーだなという感じられるようになって。

 

ジャニーズの舞台にはない、その1公演にかける魂みたいなのが、本当に出演者のみなさんひとりひとりから感じられて。

広くて大きな舞台に立つ元太くんはたくさん見てきたけど、必ずしもそこに立つ人が一人残らず全員同じエネルギーを持っているわけではなくて、そしてその中でも違う方向を向いていることももちろんあって、別にそれがだめだと言っているのではなく、ジャニーズの舞台はそういうもので。

そんなステージをずっと見てきたから、初めてただこのミクロワールドファンタジアという舞台単体を盛り上げて最高のステージを作り上げていくというたった一つの目標に向かっている熱風のような勢いを、全身で感じられるような場所でした。

 

愛がある、そんな舞台を初めて見る事が出来た気がします。

 

 

 

素敵な作品、素敵な出逢い、素敵なカンパニー、そしてそこに元太くんがひとりの役者として温かく迎えられたこと。

 

 

 

 

「前へ、前へ、前へ」としつこいくらいに話してくれた元太くんが、今でも変わらずその想いを持ち続けながら、

 

次のステージへ、次のスタートへ

 

進み続けてくれること。

 

 

18歳という若さで、大人だらけの外の世界に、松田元太という個人として飛び込んでいく姿、そして堂々と胸を張ってステージの真ん中で一番明るい光を浴びている頼もしい姿を見せてくれたことに、心からありがとうと伝えたいです。

 

 

 

これからもそんな夢のようで夢じゃない、幻のようで幻じゃない元太くんが切り開いていくリアルワールドを見届けさせてください。